| 本田純子は、教育の理想に燃える新卒教師だ。
しかし彼女の配属された先は、落ちこぼればかりが集まる最低ランクの学園だった。
彼女の教える音楽の授業などというものは、彼らにとってはただ、騒ぎ、ふざけるだけの時間だ。
最初は、なんとか生徒達の心を掴もうと、熱心に指導をしていた純子だが、彼女の理想とはどんどんかけ離れていく。
特に、この学園の農業科の授業は酷いものだった。
全く授業に興味を示さず、雑談やふざけなどの幼稚な行動が止まらない。
若さゆえ、ついついイライラして、心にも無いことを言ってしまう。
「ほらぁ!こんな有名な曲も知らないの!?」
「全くどうしょうも無いわね!だから農業科の生徒は嫌いなのよ」
「あんたたちに音楽は必要ないわね!一日中畑仕事でもしてなさい」
こんな授業では、落ちこぼれ達の恨みを買うのも当たり前と言えた。
「進路の事で相談があるんです」
最低ランクとはいえ、クラスで一番の優等生の言葉だったから、純子は全く疑うことなく、放課後の教室で待ち合わせた。しかし、約束の時間はとっくに過ぎている。
「あのガリ勉君は、いくら待っても来ませんよ!」
その声を背後で聞いた直後、女教師は薬を嗅がされ、気を失ってしまった。
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