陰陽師・イネの十四郎「女子高生 優菜の場合」
 
作 :
イネの十四郎
挿絵:
やみげん

    

「イ…イネさま……あ、あたし、胸が……胸が苦しくて……」

 都心にほど近い、ある住宅地。その一角に、そこだけ何故か取り残された、昔からの鎮守の森。
 昼なお暗いほどに鬱蒼と茂る雑木の林。その最奥にひっそりと佇む小さな祠。
 それは知る人ぞ知る陰陽師イネの十四郎の棲家であった。

 時は夕刻。厳しかった冬も終わりに近づく頃、頬を切るような風の中にふと緩やかな春の香りの混じるこの季節では、祠の周囲は既に漆黒の闇に閉ざされている。
 風もなく、木々の咳き一つ聞こえぬ静寂。
祠の中には四隅におかれた百目蝋燭が、黒い油煙を上げている。それは祠の内部を照らすよりも、その炎の届かぬ辺りの闇を、一層際立たせているかのようであった。
その祠の中、床もない、荒くれた土間の中央に跪き、掠れた泣き声で必死に陰陽師に呼び掛ける清楚な制服姿の少女が一人。

「イネさま……どうか、どうかあたしを、お、お助けください……この苦しみから……逃れさせて…く…ください」

 ふいに風の音が高まる。
 木々の葉がさざめき、妖しい気が立つ。蝋燭の炎が揺れ、一つ、また一つと消えてゆく。そして遂に闇が辺りを覆い……一瞬の後、蝋燭が燃え上がり闇を払った。
 そして少女の前には陰陽師が姿を現していた。

「あっ、イ…イネさま……ありがとうございます……あたしを助けていただけるのですね……そのために、お姿を見せてくださったのですね……」

 明々と蝋燭に照らされた少女。肩までとどくセミロングの黒い髪に縁取られた化粧の気もない素顔は、しかしそのままでグラビアアイドルが務まりそうなほど愛らしい。その顔が今、深い憂いを湛えて沈んでいる。
 涙に濡れる円らな瞳。通った鼻筋。血の気の失せた、それでも可愛い唇が微かに震えている。
 少女はその顔を、しかし陰陽師が姿を見せたことで、幾許かの安堵を現しながらその顔を上げ、陰陽師を仰ぎ見る。

「お、お願い…します。この胸の苦しみを……」

 言いかける少女の言葉を、陰陽師、イネの十四郎が遮る。

「ふむ、一体どうしたと言うのじゃ。」
「あ……あたし、失恋して……い、いえ……片思いだったのですけど……こ、こ、断られて……そ、それで……」
「それで飯も喉を通らぬと申すか。夜も眠れぬと申すか」
「は、はい……もう一週間も眠れず……な、な……息をするのも苦しくて……」

 そこまで聞いたとき、陰陽師の赤い隈取りの目が妖しく光った。

「よい、診て進ぜようぞ。だが、余の言うことを全て聞けるか。余に全てを任せられるか。どうじゃな」
「は、はい。すべてお言いつけ通りにいたします。すべてお任せいたします。ですから、この、く、苦しみを…」
「よい、もう言わずともよい。・・・さてと、じゃ」

 いつの間に現れたか、陰陽師の背後にある背凭れの高い肘掛椅子に、どっかりと腰を下ろす陰陽師。

「立てぃ。そして答えよ、そちの名はなんという」
「ゆ…優菜です。柏木優菜、○○女子高の2年……もうすぐ3年生になります」

 おずおずと立ち上がりながら答える少女。その姿を、舐めるように見据える陰陽師。

「ふむ、いかにもな名前じゃの。・・・まずは、その上着を取れ」

 えっ、という顔を一瞬見せた少女は、それでも濃紺のブレザーの釦を外し、それを脱いで床に置いた。

「次にそのシャツじゃ。続けて、スカートも脱ぐのじゃ」
「は…い……」

 荒い木綿のシャツの釦を外し、思い切ったように脱ぎ捨てる。
 さらにスカートのホックを外し、ファスナーを下げると、腰をかがめてこれも脱いだ。しかしさすがに下着姿は恥ずかしく、脱いだスカートを手に持ったまま、腰の前に当てている。

「どうした、それでは診れぬじゃないか。余の言うことが聞けぬと申すか」

 苛立ちを含んだ陰陽師の声に、慌てたようにスカートも床に置き、下着だけで立ち尽くす少女。

「よし、次はその胸の布を取れ」

 あぁ…小さな呻き。陰陽師の目の前で、その燃えるような眼に見られたまま、さすがに恥ずかしさがこみ上げる。

(…でも、ここで見捨てられたら…)

 両手を後ろに回し、背中のホックを外すと、覚悟を決めたようにブラを両肩から抜き去った。
 黒い靴。脹脛半ばまでの白いソックス。いかにも女子高生な白いショーツ。
 ただそれだけを身に付けた、羞恥の姿。頬が染まっている。

「よい。それでは診て進ぜる。・・・そこに膝をついて、両手を頭の後ろで組むのじゃ」

 少女の頬が、更に染まる。
 ぎこちない動作で両手を上げて、頭の後ろで掌を組み合わせる。

 陰陽師が立ち上がると、少女の両肘にそっと手を当て、ぐっと後ろに反らせた。少女胸が張り出される。

「ふ…うむ……じゃ、のぉ」

 意味不明の呟きを発し、陰陽師が一歩下がる。
 その前に晒される少女。両手を上げ、腋も、胸も、何一つ隠せぬ屈辱のポーズ。
 その胸はまだ幼く、固い膨らみ見せている。その頂きで可憐に盛り上がる乳暈は薄いピンクで、真っ白な乳肌に美しい対比をなしている。乳首は赤ん坊の小指の先程の大きさでしかなく、乳暈の中に隠れるように陥没している。

 再び椅子に腰を下ろした陰陽師が「近こう、よれ」と命ずる。
 膝で、にじるように進む少女。

 と、陰陽師が両手を伸ばし、少女の両の乳首を親指と人差し指で挟むように摘まんだ。
 そしてそのまま、まるで乳首を擂り潰すように揉み上げる。

   
作品提供は、
「ひとみの内緒話」様

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