9−1

 

由紀子はその日、一日中、機嫌が悪かった。

前日、加藤には中途半端な襲われ方をして、その後、山田にも、中途半端に美しい肉体を弄ばれ…正確には由紀子のほうから誘ったと言われても仕方のない状況だったが…とにかく、由紀子は家に帰った後も悶々としてしまった。あの、二人の下劣な野獣達もこの日に限って来なかった。

まさか、性的欲求不満に陥ってイライラしているとは自分でも気が付いていない。この清楚な女教師は、二人の陵辱者によって、淫靡な肉体改造の毒牙によって、淫らな女へと変わりつつあるというのか!!

 

とにかく、由紀子もそこまでは気が付かない。しかし、今の自分が、これほどまでに、不幸で、悲劇的状況にあるのは、奴等の所為だということは分かっている。由紀子は湧き上がる苛立ちの中、硬く決心した。

もう二度と、加藤と石田の言うなりにはならない!と。

たしかに、女教師として最も恥辱的な、生徒によるレイプ現場の写真は奴等の手にある。と同時にあの写真は由紀子が卑劣な犯罪の被害者である事も証明しているのだ。もし、あの写真がばら撒かれたら、女教師由紀子は死にたくなるほど恥ずかしい思いをする事になるだろう。しかし、それは一時の事だ。あの二人は間違いなく、警察に捕まる。恥辱の余り、由紀子自身もこの学校を辞めなければならなくなるかもしれない。もう、それも仕方がないだろう。こんな嫌な思い出ばかりの学校なら、心残りもあるが、それでもいい。教職免許はあるのだから、別の町に行けば、教師は続けられる。今度は女子高にしよう。そのほうがいい…

 

由紀子がそんな事を考えながら、職員室で帰り支度を整え、廊下に出ると…やはりと言うべきか!二人の性獣が卑猥な笑みを浮かべ、清純な美人女教師を待ち構えていたのであった!!

「へへへ…先生、昨日、由紀子先生を抱いてやれなかった分も、今日はタップリと可愛がってやるぜ!!」

以前の由紀子なら、この一言で、硬直し、俯いてオドオドとし、豊満な肉体を嬲り物にされてしまい、彼らの言うなりになったのだが、今日は全く違った!

「いい加減にしなさい!!私はもう、あなた達の言うなりにはならないわ!!写真なんか、好きにすればいいのよ!ばら撒きたければそうすればいいわ!!」

これまでにないほどの憤怒の表情で、由紀子は二人のにらみつけた。二人の悪党も、これにはさすがにたじろぐ。

誰もいない廊下に無言の三人、加藤の石田はお互いに、視線を交わした。由紀子の考えていた事と同じ事を二人も考えていたのだ。写真による脅迫は確かに有効ではあるが、こういう風に由紀子に居直られたら、もう、どうする事も出来ない。

まず、加藤が肩をすぼめて、諦めたような格好で、CD−Rを取り出した。由紀子の恥辱写真はデータ化していたのだ。

「わかったよ。これは由紀子先生に渡すよ。俺達も警察には捕まりたくないからな」

意外なほどあっさり、加藤は降参した。石田はまだ、未練があるらしく、かなり躊躇していたが、加藤に促され、仕方なくプリントアウトしたものを出した。石田はパソコンを持っていないらしい。二人はいつでも由紀子を脅せるように、これらのものを持ち歩いていたのだった。プリントは意外に多く30枚以上ありとても破り捨てる事は出来ない。由紀子はCDとプリントを奪い取ると、一直線に焼却炉へと向かった。まず、紙の一枚に火を点け、残りを破りながら次々と燃やした。

最後にCDをパキッと二つに折り、焼却炉に投げ込んだが…由紀子は、ふと、嫌な予感が過ぎる!あの写真がデータ化してあるということは…もしかして!?

由紀子の背後にはいつの間にか、あの二人が立っていた!そして馴れ馴れしく由紀子の肩を抱く!

「分かっていると思うけど、データ化してあるって事は、バックアップもあるぜ!消去したって言っても信じられないだろ!由紀子先生が自分で消去しな!今から俺の家に来いよ!いいだろ!」

女教師は二人の生徒がニヤニヤとしている事に背筋が凍りついた!!もし、生徒の家に行ったらどんな目に合わされるか…でも、行かざるをえない!!

これが新たなる陵辱の始まりになるとは…予感はあったが、由紀子はまだ分からなかった!

   
   

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